セルフケア

骨盤底筋トレーニング
内側から輝く体づくり

骨盤底筋は、骨盤の底で内臓を支える筋肉群です。 この「見えない筋肉」は、排泄のコントロール、姿勢の維持、 そして性機能において重要な役割を果たしています。 適切なトレーニングにより、多くの女性の悩みを改善できる可能性があります。

骨盤底筋の基礎知識

骨盤底筋群の構造

骨盤底筋は、恥骨から尾骨にかけてハンモック状に広がる筋肉群で、 以下の3層構造になっています:

  • 表層:球海綿体筋、坐骨海綿体筋、外肛門括約筋など
  • 中層:尿生殖隔膜(深会陰横筋、尿道括約筋)
  • 深層:肛門挙筋群(恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋、腸骨尾骨筋)

主な機能

  • • 内臓(子宮、膀胱、直腸)の支持
  • • 排尿・排便のコントロール
  • • 性機能の向上
  • • 体幹の安定化

弱化による症状

  • • 尿もれ(腹圧性尿失禁)
  • • 骨盤臓器脱
  • • 性交時の感度低下
  • • 腰痛や姿勢の悪化

まずは骨盤底筋を見つけよう

骨盤底筋の感覚をつかむ方法

方法1:排尿を途中で止める

トイレで排尿中に、尿の流れを途中で止めてみてください。 この時に使う筋肉が骨盤底筋です。※練習時のみ行い、習慣化は避けてください

方法2:膣と肛門を締める

膣と肛門を体の内側に引き上げるように締めてみてください。 お腹、お尻、太ももに力が入らないよう注意しましょう。

方法3:指で確認

清潔な指を膣に挿入し、締める動作をした時に 指が圧迫される感覚があれば正しく動かせています。

基本のケーゲル体操

基本エクササイズ

ステップ1:準備

楽な姿勢(仰向け、座位、立位)で、全身をリラックスさせます。 呼吸は自然に続けましょう。

ステップ2:収縮

骨盤底筋を5秒間ゆっくりと締めます。 エレベーターが上昇するようなイメージで、段階的に締めていきます。

ステップ3:リラックス

5秒間かけてゆっくりと力を抜きます。 完全にリラックスした状態を5秒間保ちます。

ステップ4:繰り返し

この動作を10回繰り返します。 1日3セット(朝・昼・夜)行うのが理想的です。

レベルアップエクササイズ

速筋トレーニング

素早い収縮で、くしゃみや咳の時の尿もれ予防に効果的

  1. できるだけ素早く強く締める
  2. 1秒キープ
  3. 1秒リラックス
  4. 10回繰り返す

持久力トレーニング

長時間の収縮で、日常生活での安定性向上

  1. 中程度の力で締める
  2. 10秒間キープ
  3. 10秒間リラックス
  4. 5回繰り返す

ブリッジエクササイズ

骨盤底筋と体幹を同時に鍛える

  1. 仰向けで膝を立てる
  2. 骨盤底筋を締めながらお尻を持ち上げる
  3. 5秒キープ
  4. ゆっくり下ろす

スクワット+

機能的な動きの中でトレーニング

  1. 足を肩幅に開いて立つ
  2. 骨盤底筋を締めたままスクワット
  3. 立ち上がる時にさらに締める
  4. 10回繰り返す

日常生活に取り入れるコツ

ながらエクササイズ

特別な時間を作らなくても、日常の中で骨盤底筋を鍛えることができます:

  • 信号待ち:赤信号の間、骨盤底筋を締める
  • デスクワーク中:1時間に1回、座ったまま10回収縮
  • 歯磨き中:朝晩の歯磨きタイムに合わせて実施
  • テレビCM中:CMの間だけ集中してトレーニング

性機能改善への効果

骨盤底筋トレーニングは、性生活の質を向上させる効果が科学的に証明されています:

身体的効果

  • • 膣の締まりが向上
  • • 血流改善による感度上昇
  • • オーガズムの強度向上
  • • 潤滑の改善

心理的効果

  • • 身体への自信向上
  • • コントロール感の獲得
  • • パートナーとの関係改善
  • • 性的満足度の向上

トレーニングの注意点

こんな時は医師に相談を

  • • 骨盤底筋を締めると痛みがある
  • • 尿もれや頻尿が改善しない
  • • 膣から何か出ている感覚がある(骨盤臓器脱の可能性)
  • • 妊娠中または産後すぐの場合

継続は力なり

骨盤底筋トレーニングは、効果を実感するまでに2〜3ヶ月かかることがあります。 しかし、継続することで必ず体は応えてくれます。 小さな変化を見逃さず、自分のペースで続けていきましょう。

あなたの体は、ケアした分だけ輝きを増します。 今日から始める小さな一歩が、大きな変化につながります。

専門的なアドバイスを受けながら、
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